

昔の自分
こんにちは、役員の千田です。
始めてなので、簡単な自己紹介です。
大学を卒業後、米国コンピュータメーカーに就職し、
エンジニアとして働き始めました。
そこで、金融市場系システムの開発現場に配属されて以来、
20年以上この同じ業界で仕事を続けてきました。
業界は同じですが、仕事をする上での立場や役割は、
この20年で大きく変わってきました。
それとともに、考え方も昔とは随分違って来ています。
いまの自分は、現場に出ると遅くまで残ってしまうタイプの人間です。
『働き方改革』の流れに、逆行すると思われているかもしれません。
でも若い頃は、違っていました。
夜中まで残業する先輩を見て、
『なんであんなに仕事をしているのだろう?
もしかして能力が無いのかな?』と冷ややかな目で見ていました。
あの頃の自分から見ると、
今の自分はきっと能力のない先輩に映ることでしょう。
どうして、若い頃の理想と違ってしまったのか、時々考える事があります。
思えば、昔と今とでは、仕事の相手が違っています。
あの頃、自分が相手にしていたのは、随分素直でいい奴でした。
正しい”命令”さえ投入すれば、正しい結果を返してくれました。
彼を相手にしている限りは、
決して『出来ない』とは言わない自信をもっていました。
でも、今はそうはいきません。
どんなに正しくても、
伝え方やタイミングを間違えると、
思った通りの結果になりません。
思った通りにならなければ、また別の手を考えないといけない。
時には『出来ない』と謝る事も想定しながら、
次の手を考える…という具合です。
ある意味で、能力が無いという指摘は、的を得ているのかもしれません。
コンピュータではなく、
人間を相手にするスキルがもっとあれば、
と思う事は何度もあります。
若い頃の自分は、エンジニアとしてのスキルを磨く事に一生懸命でした。
自分の考えていることを正しく、
効果的に伝えることなど、全くもって無関心でした。
もし、昔の自分が面向かって同じことを言いってきたら、
きっとこう答えると思います。
『君の言う通り、僕は少々能力不足なのかもしれない。
でも、僕に足りてないのは、いまの君に一番必要な能力だよ』