

ブロックチェーン事始め
取締役の千田です。
この1年、会社の将来に繋げるため、新しい事に取り組んできました。
今は、ブロックチェーン技術を利用した仮想通貨の一種であるEthereumを使い、社内アプリケーションを開発中です。
アプリケーション構築に先立ち、ブロックチェーン推進協会(BCCC)へ加入して、協会が主宰する講演会にも参加させて頂きました。講演会への参加を通して、ブロックチェーンを取り巻く最新動向に触れ、考えさせられる事の多い年となりました。
例えば、中国では、ブロックチェーン技術が、幾つかの社会サービスに既に利用されているとのこと。
個人の買い物履歴や支払い状況などから、直ぐに信用情報が判別され、その日のうちにクレジット審査を完了することも可能なのだそうです。
また、改竄が出来ないブロックチェーンの特性を活かし、契約書の有効性を担保する事に利用されているそうです。
そうする事で、お金の貸し借りに絡む裁判では、被告側の無茶な言い分や無用な契約書の再鑑定の日数を省き、効率的に裁判を進められるとのことでした。
最近のドローンやスマートフォンの技術を考えてみても、これまでのMade in China のイメージを改めないといけないと強く思わされる内容でした。
また、DeFi (Decentralized Finance) に関する取り組みも興味深いものがありました。
DeFiは、この1年で遽に注目されている考え方です。
中央銀行を頂点とした、各種の金融機関で実現されているお金に関するサービス(運用、融資、保険、ヘッジ取引など)をブロックチェーン を使った仕組み(簡単に言えばプログラム)で実現しようとする試みです。これにより、各種金融サービスのコストが大幅に削減され、より公平な資金流動を実現する事ができます。
投機目的での参加者が多く、まだ目論見通りには運用されていないようです。
加えて、技術的、運用的な面での問題も多く、まだまだこれからといった状況です。
それでも、新たな未来を開く可能性があるという事実は、今の困難を忘れさせるほど、ワクワクする事に違いありません。
思い起こせば、パソコン/インターネット草創期にあたる、1990年代も同じ様な状況にありました。
当時のコンピュータ雑誌(”ググる” などという言葉が存在しない時代です)は、確立されたばかりの新しい技術を使い、様々な特集記事を組んでいました。
覚えているのは、何KgもあるノートPCを持ち出し、電話回線経由で自宅PCにリモートログインしてファイルを取り出す…など、今では当たり前にできる事を試したりしていました。
結局、『回線が遅くて現実的ではない。』 『エラー訂正が多く取得に時間がかかりすぎる。』 など、当時の限界を目の当たりにする結論で締め括られていたと思います。
それでも、”出来たらいいな”という思いが、問題はあるにしても”実現可能”として示されていたことに、胸躍らせていたのを昨日のことの様に思い出します。きっと、新しいものへの期待や躍動感が、技術をより良いものにし、やがて社会を変える原動力になったのだと思います。
あの時と同じことが、きっと今も起こっているに違いありません。
ただ、あの時の様に、まだ見えぬ将来にワクワクしているだけでは、駄目な立場になってしまいました。エフという会社が、取り残されないためにも、将来につながる活動を続けなければと考えています。